萩原隆税理士事務所

マンション相続税評価見直し案とは?国税庁方針と評価方法解説

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マンション相続税評価見直し案とは?国税庁方針と評価方法解説

マンション相続税評価見直し案とは?国税庁方針と評価方法解説

2023/10/06

現在、国税庁ではマンションの市場価格と相続税評価額で乖離があることから、マンションの相続税評価額の評価方法の見直しが検討されており、現時点での評価見直し案をを解説します。

目次

    現行のマンションの評価方法

    現行のマンションの評価方法は、建物部分と敷地(土地)部分をそれぞれ評価し、その合計額がマンション一室の評価額となっています。具体的は、建物(区分所有建物)の価額は、建物の固定資産税評価額×1.0倍で評価し、敷地(敷地利用権)の価額は、敷地全体の面積×共有持分×平米単価(路線価)で評価して、その合計額が評価額となります。

    現行の評価方法の問題点と背景

    マンションの市場価格は、所在地(立地条件)、管理状態、間取りや設備の状況、周辺環境などによって売買の相場が形成されることとなりますが、現行のマンションの評価方法では、建物の評価額算定に活用する固定資産税評価額は再建築価格をベースに算定されるため、建物の総階数や所在階などが考慮されていない建物の効用の反映が不十分であること、敷地に関しては、全体の面積に共有持分を乗じて算出した面積に平米単価を乗じることとなり、この面積が高層マンションほどより細分化され狭小となるため、立地条件が良好であっても、それが評価額に十分に反映されす、相続税評価額は市場価格と比べ低い評価額となっている問題が発生しています。このような状況を利用して相続開始前に銀行から借入しマンションを購入することで相続税の課税価格を大幅に縮小させる行き過ぎた節税対策が横行したため、行き過ぎた節税対策が顕著な事案に対し、財産評価基本通達第6項(この通達により難い場合の評価)を適用し、国税庁長官の指示を受けた評価額で更正処分をした事例があり、この更正処分を不服とした訴訟で令和4年4月に国側勝訴の最高裁判決がありました。この事案が発生した後、当時、国税局に勤務していた際にマンションの評価について、国税庁の会議で何度も議題に上がったことを記憶しております。

    マンションの評価方法見直しの方向性

    国税庁では、マンションの評価方法の見直しについて、以前から内部で議論を続けていましたが、「マンションに係る財産評価基本通達に関する有識者会議」を計3回開催し、相続税評価額と市場価格が乖離する要因となっている「築年数」、「総階数」、「所在階」、「敷地持分狭小度」の4つの指数に基づいて、評価額を補正する方向性を示しています。具体的には、これら4指数に基づき統計的な手法により乖離率を予測し、その結果、評価額が市場価格理論値の60%に達しない場合は60%に達するまで評価額を補正するとしています。

    詳しい内容をお知りになりたい場合は、国税庁ホームhttps://www.nta.go.jp/about/council/kenkyu.htm#mansionに議事要旨と資料が掲載されていますのでご確認ください。

    マンションの評価方法の見直し案

    有識者会議で示された見直し案は、次の算式により計算した価額によって評価することとなっております。

    (算式)

     現行の相続税評価額 × 当該マンション一室の評価乖離率 × 最低評価水準 0.6(定数)

     上記の「評価乖離率」は、「①×△0.333 + ②×0.239 + ③×0.018 + ④×△1.195+3.220」により計算したものとなります。

     ①当該マンション一室に係る建物の築年数

     ②当該マンション一室に係る建物の「総階数指数」として、「総階数÷33(1.0を超える場合は。1.0)」

     ③当該マンション一室の所在階

     ④当該マンション一室の「敷地持分狭小度」として、「当該マンション一室に係る敷地利用権の面積÷当該マンション一室に係る専有面積」により計算した値

     ①~④の計算に必要な情報は、すべて登記簿謄本から知ることができるものとなっております。

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